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 当たり前の生活を取り戻すきっかけになる幼稚園! 武蔵野幼稚園 当たり前の生活を取り戻すきっかけになる幼稚園! 武蔵野幼稚園
★武蔵野幼稚園卒園式謝辞
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響きあい

ひとり一人が主人公!
 武蔵野幼稚園では、行事を儀式的行事、飛躍台になっていく行事、園と保護者の共催の行事など、目的をはっきりさせながら子どもにとって意味のある行事を精選して保育に位 置づけています。行事に振り回されることなく、保育が充実し成長の飛躍台になる行事を考えています。
 見栄えや、形にこだわり、訓練にかりたてる行事でなく、1人ひとりが主人公になれる行事のあり方を大事にしています。

 このページでは行事を通しての子供達・幼稚園・ご家族との響きあいを取り上げ、主に行事などで成長する子供達の姿を感想文でいただいた内容をご紹介します
ご家族謝辞のご紹介(全文)
 子ども達を4年間・3年間幼稚園に託されたご家族の卒園に際しての気持ちが伝わる、武蔵野幼稚園・卒園式の謝辞をご紹介します。
 令和4年度 武蔵野幼稚園卒園式 謝辞

 卒園式を迎えたつばめ組の保護者を代表し、僭越ながらお祝いの言葉を述べさせていただきます。お伝えしたいことがたくさん溢れきてしまい、これでも絞りましたが、少しだけ長くなることお付き合いください。

 私が武蔵野幼稚園を知ったきっかけは、いま小学2年生になる娘の入園を考えている時のことでした。
 幼児期の環境は大切だということは耳にしていたので、武蔵野幼稚園が取り組んでいる保育内容はとても興味がありました。 幼稚園を決めるときに考えていたこととして、園の代表である園長先生の在り方を知りたいということがありました。お会いしたときの第一印象がまずピンク色!ということに驚きましたが、話す雰囲気は静かで落ち着いていながらも、どこか芯には燃え上がる炎のようなものを感じる園長先生だという印象がありました。
 入園してみると、運動会ではマイクを握って実況中継、山が欲しいと言ったら山が手に入り、養老孟司先生を呼びたいと言ったら養老先生が来てくれる。思ったことを実現させていく姿勢は子供達はもちろんですが、親にとっても勇気を与え続けてくれる存在に納得しました。
 そんな園長先生の話をもっと聞いてみたいと思い、入園してからすぐに当時の父母会が主催していた園長先生の座談会に参加しました。そこでは20名以上のお母さんたちが園長先生をぐるっと囲んでの一問一答。周りを見回してもお父さんは私ひとりだけ。それでもお母さんの意見や視点を聞けることは勉強にもなったので、めげずに参加し続けているなかで、お父さんたちにも語る場があれば保育だけでなく、仕事の課題解決などにも役立てる話が園長先生からたくさん聞けるだろうと感じ始めていました。そう思った気持ちが伝わったのか、何度も参加し続ける珍しいお父さんだと思っていただけたのか、その両方なのか、お父さんの語りの場をつくってみませんかと園長先生からのお誘いをいただき、渡りに船だと思い武蔵野父語りを始めました。
 父語りをいざ始めてみるとお父さん同士がそれぞれ語り合うことで日々の育児はもちろんですが、仕事に関する悩みに活かす方もいれば、ほかのお父さんたちに影響を受けて仕事を変えたり、子どもとの接し方が180度変わった方もいます。お父さんたちもいろいろ考えているし、悩んでいることはあるのだなと20回以上続けている今でも毎回感じ続けています。
 だからこそ、常連参加のお父さんたちの中には、心の定期清掃のように父語りに参加をして子供や家庭での接し方などを見直して帰っていく方もいます。 父語りの会を重ねてきたことにより、蓄積される知識もあれば、同時にわからないところもでてきました。それがお母さんたちの気持ちです。
 お父さんなりのアイディアや解決方法は共有できても、お母さんの視点はちょっとわからない。家庭の中で夫婦だけだとついつい言い合いになってしまい、なかなか本音まで辿り着けないからこそ、父と母の両方がオープンに語れる場があったらいいのではないか。そう思って今年度初めて武蔵野父母語りを企画しました。お母さんたちからもいろんな感想をいただきましたが、お父さんたちはこんなにもお母さんたちのことをわかっていないのかという素直な意見もいただきました。すぐに理解はし合えないところがあっても、“そうだったのか”と知る機会があるだけでも、初めの一歩につながるのではないかと思います。客観的な視点をもてる場での父と母の交流。父母語りはまだ始まったばかりですが、在園だけでなく卒園するお父さんお母さんにも気軽に参加いただける場としてこれから育っていくところです。

 武蔵野幼稚園の魅力は語り出すとたくさんありますが、目立たない当たり前の積み重ねが歴史つくってきていることを感じた日がありました。 つばめ3くみにいる私の息子は、身体を動かすことが大好きで幼稚園から帰ってくると靴下は真っ黒。いっぱい遊んだよ、という証でした。子供達が一日中遊びまわっていると、幼稚園の玄関ホールや廊下にはいつの間にか園庭の砂が広がり、降園する頃にはどこまでが土足エリアなのかわからないことが日常の風景でした。
 ある日の遅い夕方、息子が忘れ物をしたので幼稚園に取りに行ったときのことです。そこには先生方が玄関ホールや廊下を丁寧に掃除をしている光景がありました。
 砂だらけになっていた廊下も翌朝になると綺麗になっている。毎朝登園していると床が綺麗なことは当たり前の光景になっていましたが、よく考えてみればその背景には先生方の見えないところでの毎日の清掃があったことにあらためて気付かされました。
 当たり前なことほど地味だったり、目立たないことが多いように思います。しかし、周囲に気づかれにくい行動こそ、生きる力の土台を形成する大切な部分だと思います。そうした見えない支えがたくさん詰まっているからこそ、武蔵野幼稚園の保育は成り立っているのだなと感じました。

 目立たないところにある隠れたメッセージのひとつとして、武蔵野幼稚園のホームページトップ画面の一番上にもこっそりと隠れたメッセージを発見しました。小さい鼠色の文字で“当たり前の生活を取り戻すきっかけになる幼稚園”と書いてあり、その言葉を見つけたときに感じたことがふたつありました。ひとつは“当たり前が崩れ始めているのだということ”です。時代が大きく変わっていく中ですが、そもそも当たり前とは何か?ということをもう一度考え直す時期なのだと思いました。もうひとつは“自分で考える力をつけるヒントがある”ということです。自分で考える力はいろんな経験値がなければいけないですが、つばめまで成長した子供たちにはたくさんのやりたい!と思えるものに出会ってきた時間があると思います。武蔵野幼稚園には、子供たち、そして親に対しても興味が生まれてやりたいと思ったことに対して歩み寄ろうという姿勢を貫き通してくれます。これはなかなできることではなく、これまで積み重ねてきた保育経験があったからこそのことだと思います。あらためて、幼児期を武蔵野幼稚園で過ごせた子供達は幸せだったなと思います。
 原田園長先生をはじめ武蔵野幼稚園の先生方および関係者の皆様には、社会全体にこれからを模索する空気感が漂う中でも、これまでの実践経験が礎となった“子供たちを第一に考えた保育”で今日まで見守り続けていただいたことに心より感謝を申し上げます。
 「保育とは常に模索し続けることである」という姿勢もいろんな場面で親の我々にも伝え続けていただいたと感じています。

 ご来賓の方々、および卒園式にご参加されました皆様方には、武蔵野幼稚園にて芽が出て育ってきた子供たちの門出に立ち会っていただけましたことに感謝をするとともに、今後とも充実した日々が紡がれていきますことを心よりお祈り申し上げます。
 最後になりますが、武蔵野幼稚園という栄養あふれる土壌で自ら根っこを伸ばし、育んできたつばめ組全員のこれからの成長を心から楽しみにしつつ、御礼の言葉とさせて頂きます。 本日は御礼を述べる機会をいただきまして誠に有難うございました。

  令和5年3月16日 保護者代表 甲野陽紀